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Re: 呼吸について

 投稿者:用務員メール  投稿日:2009年10月30日(金)01時34分40秒
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  「 > いつも、技術的なことを、この掲示板で勉強させてもらっています。
  小林さん、ありがとうございます。とても嬉しいです。

  さて、呼吸についてですが…

  プリマやプリンシパルが、決めのポーズでおなかや肩で呼吸していたら幻滅ですよね。女性の場合は
  男性のサポートでピルエットをしたり、デベロッペやパンシェなどでウエストをサポートされる場合
  が多々ありますが、そんな時に腹式呼吸でおなかが膨れでもしたら、男性の指は刺さるし、あっとい
  う間にポアントは落ちてしまいますし… バレエ的に美しくありません。

  実際に腹式呼吸で両手を横に伸ばしてみればすぐに理解できますが、直に腕に重力を感じて疲れ始め、
  体幹を維持しにくくなります。横方向の伸縮は感じられても、体幹に沿った縦方向の感覚は弱くなり
  ます。それでも呼吸法を改善しないと、肩や首を引っ張り上げたり、「プリエっぽく」鼠径部で前傾
  に体幹をしたりして、動きのきっかけを掴もうとしてしまいます。当然踵にバランスが乗ります。

  バレエにおいて一番適した呼吸法は、胸式呼吸から発展させたものです。単純に胸式と言えば肩で息
  をすることになりますが、ここからやや背部よりの胸郭内で処理するようにアレンジします。この方
  法のメリットは、肋間筋をフルに活用して横隔膜の収縮をさせることで、背部と腹部の隙のないスト
  レッチが行えることです。この方法を習得すれば、アームスのポジションは確実に体幹と結びつき、
  全身が引き上がり、ターンアウトが当然の姿になります。

  イメージを実現する方法は、タオルを背中に渡して両脇で持ち、背筋を伸ばしたままそのタオルを広
  げる感じです。ただし、これだけではまだまだ。次に行うべきは、腰椎の5個の骨をしっかり前後左右
  から立ち上げて、胸郭を安定させることです。当然頸椎は楽に頭蓋骨を支えてくれますから、鼻を水
  平になるように頭部を保ち、鼻腔に広い空間を確保(オペラ歌手の発する深みのある声を出すような
  感じ)します。こうすれば気管は一番吸気・排気をしやすい状態になります。

  顎は、上がっても下がってもつぶれたストロー同様、息をしづらくさせます。目線は、積極的な頸椎
  の前後の傾きで作っては台無しです。胸郭の若干の動きでなされるべきです。首は細めの頸椎と薄目
  の筋肉群で構成され、血管・神経・気管・食道を保護しています。頭部を首で前後に傾ければ、これ
  らの管をつぶすことになり、効率の良いストレッチが停止します。当然引き上げの動作も一瞬にして
  失われてしまいます。

  全身を巡る様々な血液・神経・リンパなどの導通路に支障がないことをストレッチの状態と解釈して
  いただければ、自ずと引き上げの要領が判り、それに見合う呼吸が実現できると思います。

  実践ですが、元々呼吸のリズムは「吸う・・吐く・・」です。「・・」は「吸う」と「吐く」の変わ
  り端で、「間」になります。この「間」を活かします。プレパレーションで「吸う」と軸足を土踏ま
  ずで床を押す感覚がよくわかり、肋間が最大に拡がり、両腕(特に二の腕)を胸部と背部の筋肉から
  送り出せます。このプレパレーションで実感したストレッチ感がその後のパフォーマンスを左右しま
  すので、大切にしてください。

  ターンアウトを維持していますので、バレエ的な呼吸は背部の感が強いものなのです。まさに、プリ
  ンシパルの片手を腰に、片手をドジエムに、堂々と観客にアピールする「あの5番での立ち姿」です。

  少々難しくなってしまいましたが、これでいかがでしょうか。」(林)

とのことです。
 
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